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日本最小のトンボ、ハッチョウトンボを見に松尾湿原へ!「ハッチョウトンボ観察会」

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ハッチョウトンボ(八丁蜻蛉、Nannophya pygmaea )は、トンボ科ハッチョウトンボ属トンボの一種。日本一小さなトンボとして知られ、世界的にも最小の部類に属する」

「成虫の体長はオスが17-21 mm(腹長10-14 mm、後翼長12-16 mm)、メスが17-21 mm(腹長9-13 mm、後翼長13-16 mm)で極めて小さい一円玉直径20 mm)の中に頭から腹端までが納まるほどの大きさである

「主として平地から丘陵地・低山地にかけての水が滲出している湿地や湿原、休耕田などに生息しているが、時には尾瀬ヶ原ような高層湿原でも見られることがある。いずれも日当たりがよく、ミズゴケ類サギソウモウセンゴケなどが生育し、極く浅い水域がひろがっているような環境を好む」

以上、ウィキペディアからの抜粋です。

この世界的にも貴重なトンボが現在、宝塚市立 宝塚自然の家にある松尾湿原に生息しているのですが、
それはただの偶然ではなく、多くの方々の長年にわたる努力によって結実したひとつの表れでもあったわけです。

2019年7月13日に開催された宝塚エコネットさん主催の「ハッチョウトンボ観察会」では、ハッチョウトンボを実際に観察しながら、「なぜ今、ハッチョウトンボが松尾湿原にいるのか」ということを二名の専門家の先生から紙芝居風に解説をして頂いたり、松尾湿原を前にした実況で詳しく教えていただいました。

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こんにちは。自転車乗りfumitaroです。
ということで、今回は久しぶりに自転車で取材場所である宝塚市立宝塚自然の家にやって来ました。
しかし、今日も天気は雨予報。イベント取材の時はホント大抵雨なんですよね~。
今日は少しでも天気が保ちますように。。

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宝塚エコネットさん主催の「ハッチョウトンボ観察会」。たくさんの参加者たちが集まりました。虫取り網や籠を持った小学生低学年くらいのお子さんを連れたご家族の参加者が多いですね。

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最初の挨拶や説明の後、公園内の小道を歩いて松尾湿原に向かいます。

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小さな女の子も大きな虫取り網をもってやる気満々('ω')ノ

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歩いて10分ほどで松尾湿原までやって来ました。小さな屋根のある手作りの看板が良い感じ♪

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松尾湿原はこんな感じの場所です。なだらかな谷間に沿ってできた小さな湿原ですが、たくさんの植物や生物が生息する貴重な環境です。ロープで区分けしてあるのは、今日、ハッチョウトンボの生息数を調査するためのものなんですって。

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松尾湿原の近くにある東屋で、宝塚自然保護協会の足立勲先生から紙芝居風解説でハッチョウトンボのことを詳しく教えて頂きました。先生のユーモアたっぷりの語り口調で笑い声の溢れる時間になりました。ハッチョウトンボとオニヤンマの比較が分かりやすいですね。

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現在はハッチョウトンボが生息する松尾湿原ですが、一時はその姿を見ることができなくなっていた時期があったそうです。その原因は、里山の放置によって、ハッチョウトンボの生息地である松尾湿原が損なわれてしまったからです。

そこで、宝塚エコネットさんや宝塚自然保護協会さんの尽力によって失われた松尾湿原の再生活動がなされてきたようです。足立先生からは、湿原がなぜ無くなるのか、どうすれば湿原が再生するのかについても分かりやすく教えて頂きました。

里山に入って柴を刈ったり薪を切ったりすることが生活のために必要な営みであった時代には、里山はほどよい環境で維持できていました。しかし、時代が変わり、人々が生活のために里山に入る必要が無くなると、里山の樹木は明るい雑木林(コナラやクヌギなどの落葉広葉樹林)から、暗い常緑樹の森へと変遷していきます。常緑樹は地中の水を吸い上げる力が強いので、常緑樹が増えると森の湧水なども減り、落ち葉が堆積することで湿原は無くなってしまいます。

そこで、堆積した落ち葉を取り除き、水が流れやすくなるように地面を整え、周囲の常緑樹を伐採して雑木林を作る、などの作業を丹念に行いながら湿原を再生させたそうです。


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松尾湿原が再生するとハッチョウトンボが戻ってきた!!

ハッチョウトンボはもともと松尾湿原に棲んでいたのですが、里山の放置で湿原が損なわれるとともに生息できる環境がなくなり姿を消してしまいました。しかし、里山や湿原の再生活動が行われたことにより、2012年に36年ぶりに松尾湿原にその姿を見ることができたそうです。

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では、松尾湿原にはどれくらいのハッチョウトンボがいるのか、宝塚エコネットさんが毎年調査をしています。2012年には22匹が確認されたのですが、2015年には100匹を超えるハッチョウトンボの姿が確認されました。さぁ2019年、今年は何匹のハッチョウトンボが見られるのか、みんなで予測しよう!ということで、おとなもこどもたちも考えました。

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さぁ、ハッチョウトンボの出現数の計測を始めます。ロープで区切られた区画の中に入るのは宝塚エコネットのメンバーさんたち。観察会の参加者たちはハッチョウトンボの写真を撮ったり、色々な昆虫や植物を探すなどして松尾湿原を探索しました。

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ハッチョウトンボの雌です。。お腹のシマシマ模様が特徴ですが、小さいので見つけにくく、アブなどに間違われやすいみたい。今日は少し雨も降っているということもあって、葉っぱの上にとまっているトンボさんが多かったですね。

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鮮やかな朱色をしているのがハッチョウトンボの雄です。縄張り意識が強く、縄張りに他のハッチョウトンボの雄がやって来ると撃退行動にでます。

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係の人がロープで区切られた区画の中に入り目視でハッチョウトンボの数を計測していたので、その結果を順番に報告していきます。

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さぁ、何匹のハッチョウトンボがいたのでしょうか?こどもたちが興味深々に集計表を覗き込んでいますね。

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2回計測して、1回目は99匹、2回目は95匹という結果でした。去年は152匹だったので、ずいぶん減っているような感じですが、計測する日の天気や係の人たちがどれくらい上手くトンボを見つけることができるかということにも左右されるものらしいです。

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飯盒炊爨場でお昼を食べて、松尾湿原前に集合!!
ここからは宝塚エコネットの講師である福井聡先生による松尾湿原の植物観察会の始まりです。

湿原には他の場所では生息できない珍しい植物がいっぱい。福井先生が実際に手に取って参加者の皆さんに解説してくれました。

湿原の特徴として、土壌の養分が少ないということあり、養分が少なくても生きていける植物が集まるみたいです。土壌の養分が少ない土地で生きる植物ということで、食虫植物が見られるのが湿原の特徴の一つでもあります。

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これがモウセンゴケ。初めて実物を見ました。葉っぱの先にある細かい突起からねっとりとした液体が出てきて、ここにとまった小さな昆虫を消化して養分を取ります。

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福井先生の湿原に育つ植物の話を聴いて、参加者の皆さんも大いに盛り上がっていました。

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松尾湿原から管理棟までの帰り道でも福井先生の樹木や植物の話にみな興味深々。コナラやアカマツ林の例えを出しながら里山の樹木の変遷を説明してくださったり、道端に生えている植物や樹木を手に取って和菓子の爪楊枝に使う木や漆の木など次から次に解説をしてくださる福井先生なのでした。

















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